米国、9000マイル、車の旅


山登りを始めた頃、何でこんな苦しい思いをしてまで山に登らなければいけないのであろうと思った。2万5000縮尺地図に自分の歩いた跡を赤鉛筆でなぞっているうちに、次はここへ行ってみよう、ここへ行けばたぶんこんな景色が見られるに違いないと地図上で想像し、実際にそこへ行って確認するようになった。そして、ついには地図上では道として表されていないところをも歩きたくなった。地図は真っ赤な線で埋まった。



大学を卒業してからは山登りから大分遠ざかっていたが、今回、自分の足跡(タイア痕)を、北米大陸に着けてくる機会を得た。